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オチバムシ

オチバムシ

<夢想人たちの日常より>
だめじゃないかっ、君。
公園で落ち葉なんか拾ってきたら汚いでしょうが、捨ててきなさい。

汚くなんかないよ!
そういう発想のおじさんの心のほうが汚いじゃないか。
僕はただ、
道路に落ちているオチバムシよりも公園のオチバムシのほうが生きがいいと思ったから、だから、捕まえてきただけなんだよ。

君ねー、
オチバムシなんかいないよ。
コノハムシとかナナフシならばまだわかるけども、オチバムシなんかこの夢想郷のどこを探してもいやしないよ。

そんなことない、いるもん!
みんなの身の回りにだっているはずだよ。

でもねー、君、
そんなこといってもよく見てごらん、この落葉には足なんかありゃしないし、動かないじゃないか。

それはおじさんには見ないだけなんだよ。
それに動かないのにはちゃんとした理由があるんだよ。
昔ね図鑑で読んだけど、
いくらナナフシやコノハムシといえども、下手に動いたら敵に見つかって食べられちゃうんだってさ。
特に鳥なんかは目が人間以上にいいし、色も判別できるし、それにカマキリだって動くものには物凄く敏感なんだよ。
ただ、このオチバムシもずっと動かないわけではないんだよ。
風が吹けば不規則な動きを見せるし、通行人が蹴っ飛ばしても怒らずに黙ってその場を耐えるんだよ。
誰もわかっちゃいないんだよ!
このオチバムシの凄さをねっ。



おじさんも昔、
国語の授業で勉強したでしょ。

祇園精舎の鐘の声 
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰のことわりをあらわす
奢れる人も久しからず
ただ春の夜の夢のごとし
猛きものもついに滅びぬ

ひとえに風の前の君に同じ

坊主、
よく覚えているじゃないか、素晴らしいよ。
しかも最後にアドリブを加えるなんて、おじさんギクッとしたよ、ワハハハハ!

※ブログより引用(一部変更アリ)

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