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ジガゾウ

ジガゾウ

おんどりゃー!
あの憎き忌まわしきロック鳥め、今度こそ仕返ししてやる。

どうしたのですか、象さん。
あなたのように穏やかな方がそんなにも怒るなんて、余程のことがあったのかしらね。

あったりまえじゃろがーーー!
今まで散々好き放題我々を食い散らかしやがって、あのでかぶつめ、こうやって翼を手に入れた今こそリベンジじゃー。

象さん象さん、
そりゃいくら想像上の動物とはいえ、ロック鳥の好物が象さんだなんて不愉快でしょうね。
しかし、私にはあなたの翼なんて見えやしませんよ。
むしろ、今のあなたは影のほうが大きい存在となってしまっているようですわよ。

だまりんしゃいーーーーーーーー!
わしゃー復讐すると決めたんじゃ、男に二言はねー。

でも象さん象さん、
あなたには無理ですよ、ロック鳥になんて勝てやしませんよ。

何じゃとーーー、馬鹿にしよって!
貴様はついにワシのハートに火をつけてしまったようじゃな、もうワシは止められんのじゃー。

ええ、確かに私はあなたの心に火をつけてしまったようです。
そのために、あなたの影はますます大きくなってしまった。
でも、これであなたにも自分の影が見えるようになったのではないでしょうか?
よく考えてみてください、
あなたは優しい象です。
その優しいあなたが本気で復讐なんて出来ますか?
その優しさが、いざという時に命取りになることだってあるんですよ。
何事もそうですが、躊躇したら負けなんです!
でも、勘違いしないで下さい。
躊躇することは確かに負けかもしれませんが、それは必ずしも悪いことではないのですよ。
世界は勝ち負けにこだわって争いを続けていますが、みんなが勝ってしまった場合にいったい誰が負けてくれるのですか?

誰も負けてはくれませんよ、
みんなが勝つということはみんなが負けるということなんですよ!



わかった、わかったのじゃ。
いつも穏やかな君がそこまで声を張り上げてくれるなんて、でも、そのお陰でワシは気づいたのじゃよ。

はじめからロック鳥なんていやしない、そして、私にも翼なんてないのだということにね。
それに、

最初からわかっておったのじゃ、
ただ、自分で何かしらの開放をしたかっただけなのじゃよ。

ただ…
そういう話し相手が欲しかっただけなのですね。
(少しほっとしました。実を言うと象さんに羽が生えかけていたのは事実なんです。でも、象さんは飛ぶべきではない、そう感じたのです。それに、あんな巨体が空を飛んでしまっては地上にいる他の生き物もうかうかしていられませんからね)

それに、
ワシの巨体は争うための武器じゃないけんのう。
我々大地とともに生きる動物はみんな自分の武器の使い方を知っておるのじゃ、だから、余程の事がない限り安心せい。

※夢想世界調査員「待時聴蔵(まちどき・きくぞう)」君に聞いた御話です。

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