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ガーディアンプラント

ガーディアンプラント

「あのー、すみません。私は夢想郷の生物に関してもっと勉強したいので、夢想ジャングル探検を企画したいのですがよろしいですか」

私がこの言葉を夢想人の方々に放った瞬間っ!

なんと四方八方から「張り手」が飛んできたのです。
私の顔はぼこぼこに腫れ上がり、お陰様でジャングル探検どころではなくなってしまいました。
(「百烈張り手」は、さぞ痛いことだろうと、昔アクションゲームで感じておりましたが痛いどころではない)

しかし、
夢想人曰く

「あのままあなたを放っておいたら、きっとジャングルに向かったことでしょう。そうしたらもっと痛い目にあうこと間違いなし。痛いどころか命を失いますよ。ですからこうなっていただいたのです、わかりますか」

そうなのです。
夢想郷のジャングルに生息する植物の過半数が蛇と融合しているということなのです。
ジャングルを乱そうとする輩からジャングルを守る番人として進化した「ガーディアンプラント」。

その毒は強力で「一生笑が止まらない」という、いわば拷問のようなものです。
確かに笑いは素晴らしいですが、一生笑い続けるしか出来ないというのは地獄そのものです。
そこには感情がこもっていないからであります。

それを夢想地獄では「笑熱地獄」といっているようです。

不純な動機でジャングルに侵入し、この病にかかってしまった者達の阿鼻叫喚の叫びが更にジャングル侵入者を拒むのでそうです。

「私には不純な動機などない、ただ単に夢想郷の生物を知りたかっただけです。この私のどこに不純な動機があるというのですか」と、私は夢想人に訴えました。

すると夢想人は、

「確かに今は不純ではないかもしれないけれども、人間なんていつどうなるかわかったもんじゃない。いままでそういう人間を数多く見てきている」
更に、
「あなたはジャングルの奥深くを探検するよりも、まず先にあなたの心の奥深くを探検しなさい。ジャングルはそれからでもいいでしょう」

私も言い返したいことはいくらでもありましたが、しかし、今の段階では感情にまかした発言になってしまうので、とりあえずは聞いておき、後で自分の内面と葛藤させることに決めました。

その答えはいまだにでていませんが、それはそれでいい。
答えを出すことを早まったり、答えを出さねばならないという考えがいかなる悲劇を生んできたのか、多くの夢想人は知っているようであります。

そして「痛み」。

「痛み」は想像だけでは知ることが出来ない。
逆に、
「痛み」の想像力がありすぎても何も出来ない。

一時ハサミを手放していた私のように…

教育で一番失われているのは「痛み」を知るということである。
体罰とか、ぶん殴るとかそういうものだけではない。

「人工物に対する叡智は訴えても、その下にあるものの痛みは度外視している」
「便利は素晴らしいが、それのみを神として扱うことが、物事の二面性をカムフラージュしてしまう」
「便利が立つことで、風の動きを肌で感じられなくなった世代の目に見えぬ嘆きを、単純に教育や家庭問題などに押し付ける野蛮さ」

更に野蛮な発言をさせていただくならば、
「先進国の人々全員が、モア・モア病から抜け出さないことには、心の闇というジャングルからは抜け出せない」

私は夢想人の掟を破って蛇に噛まれたことがあります。

幸いにして、
「笑熱地獄」ではありませんでしたが、
それは「スピードダウン症候群」という、見方によれば便利な病でありました。

その体験談を何かに活かすチャンスは、自ら作り上げるしかないでしょうね、皆様も。

※過去ブログより

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