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土蜘蛛

土蜘蛛

地面に巣を貼り(張り)、
「待つ」という最高の武器によって、
徐々に獲物を追い詰め、
獲物が疲れ果てたところでようやく動き始めるという畏るべきタランチュラ、
更にはスパイの役割をも持つという、
超知的夢想生物、
其の名も「土蜘蛛」。

しかも、その蜘蛛の巣後光は通常の場合は視認できないため、なおさら厄介である。
(画像に巣の網目が見えるのは、ひとえに、夢想世界調査員の「きりきり舞之助」君の逃走劇の賜物である)


逃げても逃げても、
この円状蜘蛛の巣後光から逃げ切ることはできない。
逃げ回れば逃げ回るほどに、体力は奪われていく。
円巣上をぐるぐると回っているに過ぎないのでだから、それは当然である。

終わりなき逃走劇。
ギブアップを信条とする舞之助君は、
いい加減疲れてきたのだが、
こういう時に限って彼はネバーギブアップなのである。

だがしかし、
時とは残酷なものだ。
ネバーギブアップはいつまでもは続かない。


「ええーい!もう逃げるのはやめた!どうにでもなれってんだ!」

ついに本領を発揮した舞之助君。
しかし、土蜘蛛は追ってこない。

そう、最初から土蜘蛛は追う気はないのである。
勝手に逃げては、疲れはて、自滅しかけた舞之助君。

しかし、その逃走の道のりは決して無駄なものではなかったであろう。

そんなことよりも、
なぜ舞之助君はアレを取り出さなかったのだろう……

彼は常に背中のマントの内側に鋏を携帯しているはずである。
その鋏で、蜘蛛の巣後光を一刀両断すれば、別の逃走方法もあったであろうに。

だが、舞之助君はこういうだろう。

「いつだって使えるものは、出来る限りは使いたくないのだ。それによって見えてくるものもあるのかも知れないのだから……」と。

※ブログ(November 07, 2007 )より

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