t-kdayo.cocolog-nifty.com > 夢想生物大百科(弐)

メガネクワガタ

メガネクワガタ

メガネクワガタというこの昆虫は絶滅危惧種に指定されている。
(夢想郷にて)

人間にかけてもらってこそ、そこではじめてその真価を存分に振るうことが出来る、そういうクワガタムシである。
いくらそれなりの機能があろうとも、それを活かす場所がなければ腐ってしまう。

勿論、人目知れず進化するということも可能であろうが、しかし、それにはそれなりのその類の忍耐を要する。

虫なんて「キモーイ」という世の中では、このクワガタムシはとても生きにくいでしょう。

しかし、理解されず存在知られずとも、その負い目を、豊かな感受性に変えることで、いつか檜舞台の樹液を吸える時がくる。

そう信じてとにかく生き延びてほしい!

自身の存在意義に関する葛藤を乗り越えた虫だからこそ救える虫たちがいるということを、その日のための準備をするのです。

そのメガネでしか見ることのできないものもある。
そのようなメガネでしか見ることのできない隙間というものもある。
その目撃体験につぶされることなく生きるのです!
それには相応の時間を必要とするかもしれない。

………

そして、
自らそのメガネを取り外した時、
その経験は体得されたものとなるでしょう。

それもそのはずです、
あなた方のその大顎は他のクワガタムシとは違って、武器のために存在したのではないのだから…

だからこそ、あなた方には生き延びて欲しいのです。
そのようなあなた方が樹液を独り占めするなんて事はないであろうから、ね。



そして再びメガネをかけるときがくるでしょう、しかし、その際は自らの手でかけることになると思う。
そこで自らの見てきたものを開放するのです。

それが他のメガネクワガタにとっての道標となりえるのだから。

by・葉隠博士(夢想生物学者)

※過去ブログより(一部加筆)

| トップページ |