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オセロクワガタ

オセロクワガタ

「ホワイトアイランド」と「ブラックアイランド」。
その中間にある「名も無き島」のクワガタムシが、この「オセロクワガタ」であります。

夢想郷の世界地図にもこの「名も無き島」は掲載されているのですが、実はこの島、「ホワイトアイランド」と「ブラックアイランド」よりも大きな島なのです。

大きな島でありながら名前を付けてもらえない、これはどういうことか?

夢想郷の世界では、
いまだに人の手の加えられていない島には名前を付けないというのが掟なのだそうです。
なるほど、
人に支配されていない土地は名を付けるに値しないか…

そういうわけではありません。

名前を付けることで人が集まり、その島を破壊してしまうことを恐れて名前を付けないのであります。
どうやら夢想郷の人々も有名と無名の区別をするらしく、無名のものには見向きもしないと、そういうわけですね。

こういう不毛の地「名も無き島」に生息する生物はどれも皆個性豊かな生物たちばかりであります。

例えば、
この「オセロクワガタ」なのですが、見た目とは異なり、実に白黒はっきりさせない習性を持っているのであります。

地上で見かけるクワガタムシは勝者と敗者がくっきりと分かれますが、この「オセロクワガタ」の場合はそのあたりが曖昧なのです。

確かに樹液を求めて争いはするのですが、それは一種のコミュニケーションで、一方的に相手を叩きのめすなんていうことはありません。

争ったあとは、お互い何事も無かったかのごとく一緒に樹液を味わう。
どうやら、
あの争いは「一種の儀式」なのですね。

なぜこの島の生物がこのように本気の争いをしないのか?

いろいろな理由があると思いますが、
さすがに人手が届きにくい島だけあって、それだけ自然の力が強いのでしょうね。

天変地異はあたりまえ、
そのような環境を生き抜く彼らは、お互いがいがみ合っている余裕などは無く、かつ限られた資源(樹液)を大切にする術を知っているようです。

私は虫や多くの下等生物(人間と比べて)を馬鹿にしてきました。

しかし、
彼らは頭で考えずとも、理論理屈抜きで本当の生き方というものを知っているのです。

万物に普遍な「生きる」ということが、真に頭がよいことだと仮定した場合に、本当に頭がよいのは人間か下等生物か。

ここでいう「生きる」というのは、
今の時代などというそういう短いスパンのことではない。

未来永劫、
とにかく命を存続させるという意味においての、
私さえよければ、
私さえ幸せならばという、
そういうインスタントなものではない、

「何か」を…

人間から見ればインスタントに見える期間しか生きられない彼らは知っているようであります。

※ブログより引用

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