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ケルベロスタッグビートル

ケルベロスタッグビートル

夢想世界は、
どうやら「あちら・こちら・どちらの世界」とつながっているらしく、そのため、そうそういとも簡単に行き来されては困るのだそうです。

そこで登場するのが夢想世界の番人「ケルベロスタッグビートル」なのでありますが、
なぜだか頭部が3つもあるこのクワガタムシは、

灼熱の炎を吐き、
凍てつく樹氷を撒き散らし、
毒霧悶絶地獄落としで、来るものを拒むのであります。

それに耐えられない者はとっとと地上の世界に返りなさいと言わんかのごとく繰り出される数々の攻撃に、多くの地上人は「もう嫌だー、助けてぇー」と叫びながら現実世界に戻ってくるというのですが、中にはなかなかしぶとい方もおられるようでして、傷だらけになりながらも夢想世界に突入してしまうのだそうです。

そしてようやく夢想郷に辿りつく。

その瞬間に、
まるで夢のように、先ほど負った傷口は塞がってしまうというのですが、なんとその代わりに「たましい」の方がダメージを負ってしまうのだそうです。
万事解決などといった甘いことは、たいていの場合において無いものであります。

とはいえ、同時にその「たましいの再生」が夢想世界での目的であるといっても過言ではないのですが、まあとにかく、先ほどの門番が示すように、夢想世界に辿りつくまでが大変なのであります。
下手をすると地獄のような場所にテレポーテーションしてしまうのですからね。

しかし、
この「ケルベロスタッグビートル」の姿を目撃することなく夢想世界に辿りついてしまう人もいるようなのです。
ただ、残念ながらそういう人は夢想世界を生き抜くことができないようであります。

やはり踏むべき手順というものはあるのでしょう。
一見邪悪な「ケルベロスタッグビートル」ではありますが、彼の役割は、来場者を退散させることではなく、その力量を見計らうことにあったのです。

ですから、
「ケルベロスタッグビートル」は素晴らしき嫌われ役とでもいいましょうか、そんな存在なわけであります。

そして、
夢想世界でなんらかの体験をした後に、「第3の道」の模索に開眼することで、彼らは地上世界にへと戻っていくのだそうです。

二者択一に迫られ、「心の電池」が枯渇してしまった人間の、再生の場所「夢想世界」。

そこで見た現実を各人なりの方法で築き上げるのが、この世界を経験した人間の使命なのであります。
あせらず、ゆっくりと、かといってあまりのんびりもしていられない、そういう未来がスタートするのです。

※ブログより引用

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